東京都・八王子市オオルリ陶芸会のブログ

八王子市生涯学習センター川口分館で陶芸を楽しむサークルです。 1998年から活動を始めました。 私たちのつたない作品や活動の様子を綴ってまいります。 このブログで、陶芸の魅力や面白さが少しでも伝われば幸いです。

師匠と弟子の会話 No.4 タタラとへたり

 

師匠:40歳を過ぎて陶芸を始め、女魯山人と称されるまでになった 新進女流陶芸家仲谷春子

弟子:陶芸を通して様々な事を学んで行く三十路嬢 三枝優子

この会話はフィクションであり、実在の人物とは何ら関わりはございません。


No.4 タタラとへたり

 

弟子:お師匠さん、見てくださいよ~、
   先日作ったタタラの皿がへたっちゃいました。

師匠:あらあら。
   素焼きでは大丈夫でも本焼きでへたることはよくあるわよ。

弟子:そうなんですね。
   只の真っ平らな皿なのに、結構難しいんですね。
   (-"-;)

師匠:そうね、優子さん。
   タタラに限らず、乾燥時に歪みやへたりの原因を作っていることは多いから、ゆっくりとムロなどで乾かすといいわね。
   また、器作りは土の締まりが一番大事よ。
   水を控えて土の張りを維持する事もポイントね。

弟子:そうなんだ。
   (*-゛-) ウーン・・・

師匠:そして、粘土に残された力の記憶を消してあげる事も忘れないでね。

弟子:(^^?)) エッ?
   力の記憶ですか? 

師匠:(〃^∇^)o_彡
   そうなのよ。
   例えば、一方向のみに粘土を延ばしたら、その方向の縮みは激しくなるわよね。
   それは粘土が加えられた力を記憶しているからでしょ?

弟子:(^-^*)(..*) ウンウン

師匠:そうした、偏った力の記憶を消してあげることが大事なの。
   この真っ平らな陶盤皿を作る場合で言えば、乾燥段階で重しを掛けながら毎日上下をひっくり返す事で、かなりへたりを防いで、偏った力の記憶を消し去ってくれるわ。

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弟子:なるほど。

師匠:さらに、素焼きをする時にも上に重しになるような器を置くと良いわよ。

弟子:そうか!
   上から押さえ込む事で反りにくくするんですね。

師匠:そうなのよ。
   タタラは誰でも簡単に作れるけど、簡単なだけに、アラも出やすいものなのよ。

弟子:(^-^*)(..*) ウンウン
    ササッと作れていいなんて思っていたけど、手抜きは出来ないんですね。

師匠:タタラに限らず、陶芸は手を抜かずに一つ一つを丁寧にこなして行くことが、面倒でも最終的には一番の近道なのよ。

弟子:はい、そうですね。

師匠:最後の最後でへたったり歪んだりしたら、それまでの苦労が水の泡ですからね。

弟子:はい、よく解りました。
   φ(。。* ) メモシテオコウ