師匠:40歳を過ぎて陶芸を始め、女魯山人と称されるまでになった 新進女流陶芸家仲谷春子
弟子:陶芸を通して様々な事を学んで行く三十路嬢 三枝優子
この会話はフィクションであり、実在の人物とは何ら関わりはございません。
No.4 タタラとへたり
弟子:お師匠さん、見てくださいよ~、
先日作ったタタラの皿がへたっちゃいました。
師匠:あらあら。
素焼きでは大丈夫でも本焼きでへたることはよくあるわよ。
弟子:そうなんですね。
只の真っ平らな皿なのに、結構難しいんですね。
(-"-;)
師匠:そうね、優子さん。
タタラに限らず、乾燥時に歪みやへたりの原因を作っていることは多いから、ゆっくりとムロなどで乾かすといいわね。
また、器作りは土の締まりが一番大事よ。
水を控えて土の張りを維持する事もポイントね。
弟子:そうなんだ。
(*-゛-) ウーン・・・
師匠:そして、粘土に残された力の記憶を消してあげる事も忘れないでね。
弟子:(^^?)) エッ?
力の記憶ですか?
師匠:(〃^∇^)o_彡
そうなのよ。
例えば、一方向のみに粘土を延ばしたら、その方向の縮みは激しくなるわよね。
それは粘土が加えられた力を記憶しているからでしょ?
弟子:(^-^*)(..*) ウンウン
師匠:そうした、偏った力の記憶を消してあげることが大事なの。
この真っ平らな陶盤皿を作る場合で言えば、乾燥段階で重しを掛けながら毎日上下をひっくり返す事で、かなりへたりを防いで、偏った力の記憶を消し去ってくれるわ。
弟子:なるほど。
師匠:さらに、素焼きをする時にも上に重しになるような器を置くと良いわよ。
弟子:そうか!
上から押さえ込む事で反りにくくするんですね。
師匠:そうなのよ。
タタラは誰でも簡単に作れるけど、簡単なだけに、アラも出やすいものなのよ。
弟子:(^-^*)(..*) ウンウン
ササッと作れていいなんて思っていたけど、手抜きは出来ないんですね。
師匠:タタラに限らず、陶芸は手を抜かずに一つ一つを丁寧にこなして行くことが、面倒でも最終的には一番の近道なのよ。
弟子:はい、そうですね。
師匠:最後の最後でへたったり歪んだりしたら、それまでの苦労が水の泡ですからね。
弟子:はい、よく解りました。
φ(。。* ) メモシテオコウ