師匠:四十歳を過ぎて陶芸を始め、女魯山人と称されるまでになった新進女流陶芸家・仲谷春子
弟子:陶芸を通して様々な事を学んで行く三十路嬢・三枝優子
この会話はフィクションであり、実在の人物とは何ら関わりはございません。
No.7 お椀作りは愉しい
弟子:(´_`。) グスン
師匠:あらっ、優子さんどうしたの?
弟子:あッ、お師匠さん。聞いてくださいよ。
実は、出木杉さんが轆轤で丸い花瓶を挽いていたから、私もそんな 器を作ってみたいなって言ったら、「三枝さんにはまだ無理だよ」だって・・・。
悔しくて悔しくて。
。゜゜(´□`。)°゜。ワーン!!
師匠:確かに今の優子さんでは出木杉さんのような轆轤挽きは無理ね。
弟子:私だって分かっていますよ、だから悔しいんじゃないですか。
師匠:轆轤挽きで作ることは確かに無理だけどね。
だったら他の方法で作ったらいいじゃない。
弟子:(^。^?) エッ、他の方法?
そんな方法があるんですか?
な~んだ、早く教えてくださいよー。
師匠:これよ、お椀作りー。
では、詳しく教えるからしっかり観ていてね。
師匠:まず始めに5mm厚でタタラ粘土を作ったら、 それをこの型に抜いてね。
弟子:お師匠さん、
この型はお椀に合わせて作ってあるんですね。
師匠:それを、ガーゼを敷いたお椀の中で丁寧に重ね 合わせて貼り付けていくのよ。
紐作りでの重ね合わせと同じで、ここでしっかりと粘土同士を圧着しておかないと水漏れの原 因になるから、この作業はとても大事よ。
指で圧着した後、道具の項で作った布玉ぼうずで更に内面を綺麗に仕上げてね。
これを二つ分同じ方法で作るのよ。
弟子:タタラだから意外と簡単に出来ますね。
師匠:粘土が柔らかいから、ドライヤーで少し乾かしてから、お椀の縁に沿って弓で余分な粘土を切 り落としてね。
この時、気をつけなければならないことは、切 り口を水平ではなく、内側が少しだけ高くなる ように切ってね。
(写真は少しオーバーに写してるわよ)
そして、切り口を針で十文字に傷つけ、二つのお椀を重ね合わせてね。
弟子:こんな風に合わせるんですね。
こんなに簡単で本当にうまく行くんですかね。
師匠:その答えは焼いてみれば分かるわよ。
この合わせ目が不完全だと水漏れを起こすから、互いをグリグリするようにしっかりと合わせるのよ。
弟子:しっかりと合わせました。。
師匠:そしたら、ガーゼを押さえながらお椀を外して外側に残った線をヘラで丁寧に消 すのよ。
溝が深い場合には、細い紐で埋めてね。
特に中央の合わせ目は自然な丸みを持たせて消してね。
弟子:こんな感じですね。
師匠:あとは口を作って終わりよ。
余ったタタラを板の幅で切って筆に巻き付けるのよ。
なめし皮で丁寧に形を付けたら本体に貼り付けるの。
ボディ全体はランダムに溝を入れて装飾にするのよ。白化粧をするのも良いわよ。
弟子:これでいいですか?
師匠:そうね、とっても上手よ。
ボディー全体が型崩れしない程度に乾いたら、
最後に口の部分に沿わせて穴を開ければ完成よ。
弟子:ヤッター!
(^-^*)(..*) ウンウン
我ながら上手に出来た。
師匠:素晴らしいわ。
初めてとは思えないわよ。
弟子:そうですか?
師匠のお陰です。
作り方を忘れずに φ(。。* ) メモシテオコウ