東京都・八王子市オオルリ陶芸会のブログ

八王子市生涯学習センター川口分館で陶芸を楽しむサークルです。 1998年から活動を始めました。 私たちのつたない作品や活動の様子を綴ってまいります。 このブログで、陶芸の魅力や面白さが少しでも伝われば幸いです。

師匠と弟子の会話 No.7 お椀作りは愉しい

何かの参考になれば・・・・。

師匠:四十歳を過ぎて陶芸を始め、女魯山人と称されるまでになった新進女流陶芸家・仲谷春子

弟子:陶芸を通して様々な事を学んで行く三十路嬢・三枝優子

この会話はフィクションであり、実在の人物とは何ら関わりはございません。


No.7 お椀作りは愉しい

 

弟子:(´_`。) グスン

師匠:あらっ、優子さんどうしたの?

弟子:あッ、お師匠さん。聞いてくださいよ。
        実は、出木杉さんが轆轤で丸い花瓶を挽いていたから、私もそんな 器を作ってみたいなって言ったら、「三枝さんにはまだ無理だよ」だって・・・。
   悔しくて悔しくて。
   。゜゜(´□`。)°゜。ワーン!!

師匠:確かに今の優子さんでは出木杉さんのような轆轤挽きは無理ね。

弟子:私だって分かっていますよ、だから悔しいんじゃないですか。

師匠:轆轤挽きで作ることは確かに無理だけどね。
   だったら他の方法で作ったらいいじゃない。

弟子:(^。^?) エッ、他の方法?
     そんな方法があるんですか?
        な~んだ、早く教えてくださいよー。

師匠:これよ、お椀作りー。
        では、詳しく教えるからしっかり観ていてね。

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師匠:まず始めに5mm厚でタタラ粘土を作ったら、 それをこの型に抜いてね。

弟子:お師匠さん、
   この型はお椀に合わせて作ってあるんですね。

師匠:それを、ガーゼを敷いたお椀の中で丁寧に重ね 合わせて貼り付けていくのよ。

   紐作りでの重ね合わせと同じで、ここでしっかりと粘土同士を圧着しておかないと水漏れの原 因になるから、この作業はとても大事よ。

   指で圧着した後、道具の項で作った布玉ぼうずで更に内面を綺麗に仕上げてね。
   これを二つ分同じ方法で作るのよ。

弟子:タタラだから意外と簡単に出来ますね。

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師匠:粘土が柔らかいから、ドライヤーで少し乾かしてから、お椀の縁に沿って弓で余分な粘土を切 り落としてね。

         この時、気をつけなければならないことは、切 り口を水平ではなく、内側が少しだけ高くなる ように切ってね。
       (写真は少しオーバーに写してるわよ)

         そして、切り口を針で十文字に傷つけ、二つのお椀を重ね合わせてね。

弟子:こんな風に合わせるんですね。
         こんなに簡単で本当にうまく行くんですかね。

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師匠:その答えは焼いてみれば分かるわよ。
        この合わせ目が不完全だと水漏れを起こすから、互いをグリグリするようにしっかりと合わせるのよ。

弟子:しっかりと合わせました。。

師匠:そしたら、ガーゼを押さえながらお椀を外して外側に残った線をヘラで丁寧に消  すのよ。
        溝が深い場合には、細い紐で埋めてね。

        特に中央の合わせ目は自然な丸みを持たせて消してね。

弟子:こんな感じですね。

師匠:あとは口を作って終わりよ。
        余ったタタラを板の幅で切って筆に巻き付けるのよ。

        なめし皮で丁寧に形を付けたら本体に貼り付けるの。

        ボディ全体はランダムに溝を入れて装飾にするのよ。白化粧をするのも良いわよ。

弟子:これでいいですか?

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師匠:そうね、とっても上手よ。
   ボディー全体が型崩れしない程度に乾いたら、
        最後に口の部分に沿わせて穴を開ければ完成よ。

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弟子:ヤッター!
        (^-^*)(..*) ウンウン
        我ながら上手に出来た。

師匠:素晴らしいわ。
        初めてとは思えないわよ。

弟子:そうですか?
        師匠のお陰です。
        作り方を忘れずに φ(。。* ) メモシテオコウ