東京都・八王子市オオルリ陶芸会のブログ

八王子市生涯学習センター川口分館で陶芸を楽しむサークルです。 1998年から活動を始めました。 私たちのつたない作品や活動の様子を綴ってまいります。 このブログで、陶芸の魅力や面白さが少しでも伝われば幸いです。

師匠と弟子の会話 No.11 粘土とキャッチボール

参考になれば

師匠:四十歳を過ぎて陶芸を始め、女魯山人と称されるまでになった新進女流陶芸家・仲谷春子

弟子:陶芸を通して様々な事を学んで行く三十路嬢・三枝優子

この会話はフィクションであり、実在の人物とは何ら関わりはございません。


No.11 粘土とキャッチボール

 

弟子:う~ん、難しいな。(-_- |||)
   お師匠さん、どうしたらいいでしょう?

師匠:どうしたの? 優子さん。
   何が難しいの?

弟子:ちっとも思うような形にならないんです。
   広がらなかったり、ヘタったり。

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師匠:あら、それは優子さんが粘土とキャッチボールをしてないからよ。

弟子:粘土とキャッチボールですか?

師匠:そう。
   手轆轤はゆっくりと成形して行くから割と自由に形作れる。
   でも、電動はその何倍も早く成形しなければならないから、粘土と
   しっかりとキャッチボールをしてないと思うようには作れないの。

弟子:(^-^*)(..*) ウンウン

師匠:粘土が固くては形が自由にならないし、柔らか過ぎてはヘタってしまう。だから、粘土と会話して粘土の声を聴いてあげなければいけないの。

弟子:( ´'_'`)ふ~ん。粘土の声ですか?

師匠:そう。今の優子さんは粘土に自分の思いをぶつけてるに過ぎない。
   粘土には粘土の心があるからちゃんと粘土の声を聴いてあげて。
   そうすれば、ココって所が見つかるわよ。

弟子:(;^▽^)なるほど。
   言われてみれば、自分の思う形に作ろうってそればかりでした。
   手捻りみたいに、粘土なんてどうにでも成形出来ると思ってました。

師匠:ちゃんと粘土とキャッチボールすれば、粘土が水分を含んで変わって行く様子が分かるはずよ。
   その変化を見落とさなければ、ちゃんと思う形なってくれる。

弟子:(/*´∀`)ゞ ハハ、本当だ。
   さっきより、ずっと思う形に近づいてきました。
   粘土が変わってくる様子が何となく分かります。

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師匠:粘土だから自分の自由になるなんて思うのは、思い上がりだわ。
   自由に形作れるのは粘土の声を聴いてあげられる人だけよ。
   もっと謙虚になって粘土の声を聴いてあげなければ、粘土はあなたの思うようにはならないわよ。

弟子:(*-゛-) ウーン・・・ そうなんですね。

師匠:優子さんは粘土に素直だけど、素直と謙虚は違うわよ。
   作りたい思いは正直にぶつけてるけど、粘土の声も聴く姿勢を持たないと、一方的なだけでは会話は成立しないのよ。

弟子:(^-^*)(..*) ウンウン 確かにそうです。
   私、粘土に対して少しワガママでした。
   もっと簡単に自由になるのかと思ってました。

師匠:優子さんが粘土の声にちゃんと耳を傾けてあげれば、粘土はいつでも、あなたの思うような形になってくれるわよ。

弟子:(*^o^*) はい、ありがとうございます。

師匠:電動轆轤は粘土とのキャッチボール。
   作る物が大きくなればなるほど、そのラリーをどう繋げて行くかを考えなければならないわ。

弟子:ラリーを繋げる?
   (゚∀゚;) そっかー!

師匠:大物作品は一気に思う形には成形出来ないわ。
   少しずつ粘土とラリーを繋げながら成形して行くのよ。

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弟子:(^-^*)(..*) ウンウン
   粘土に謙虚に向き合うってことが何となく分かってきました。
   φ(。。* ) メモシテオコウ