参考になれば
師匠:四十歳を過ぎて陶芸を始め、女魯山人と称されるまでになった新進女流陶芸家・仲谷春子
弟子:陶芸を通して様々な事を学んで行く三十路嬢・三枝優子
この会話はフィクションであり、実在の人物とは何ら関わりはございません。
No.11 粘土とキャッチボール
弟子:う~ん、難しいな。(-_- |||)
お師匠さん、どうしたらいいでしょう?
師匠:どうしたの? 優子さん。
何が難しいの?
弟子:ちっとも思うような形にならないんです。
広がらなかったり、ヘタったり。
師匠:あら、それは優子さんが粘土とキャッチボールをしてないからよ。
弟子:粘土とキャッチボールですか?
師匠:そう。
手轆轤はゆっくりと成形して行くから割と自由に形作れる。
でも、電動はその何倍も早く成形しなければならないから、粘土と
しっかりとキャッチボールをしてないと思うようには作れないの。
弟子:(^-^*)(..*) ウンウン
師匠:粘土が固くては形が自由にならないし、柔らか過ぎてはヘタってしまう。だから、粘土と会話して粘土の声を聴いてあげなければいけないの。
弟子:( ´'_'`)ふ~ん。粘土の声ですか?
師匠:そう。今の優子さんは粘土に自分の思いをぶつけてるに過ぎない。
粘土には粘土の心があるからちゃんと粘土の声を聴いてあげて。
そうすれば、ココって所が見つかるわよ。
弟子:(;^▽^)なるほど。
言われてみれば、自分の思う形に作ろうってそればかりでした。
手捻りみたいに、粘土なんてどうにでも成形出来ると思ってました。
師匠:ちゃんと粘土とキャッチボールすれば、粘土が水分を含んで変わって行く様子が分かるはずよ。
その変化を見落とさなければ、ちゃんと思う形なってくれる。
弟子:(/*´∀`)ゞ ハハ、本当だ。
さっきより、ずっと思う形に近づいてきました。
粘土が変わってくる様子が何となく分かります。
師匠:粘土だから自分の自由になるなんて思うのは、思い上がりだわ。
自由に形作れるのは粘土の声を聴いてあげられる人だけよ。
もっと謙虚になって粘土の声を聴いてあげなければ、粘土はあなたの思うようにはならないわよ。
弟子:(*-゛-) ウーン・・・ そうなんですね。
師匠:優子さんは粘土に素直だけど、素直と謙虚は違うわよ。
作りたい思いは正直にぶつけてるけど、粘土の声も聴く姿勢を持たないと、一方的なだけでは会話は成立しないのよ。
弟子:(^-^*)(..*) ウンウン 確かにそうです。
私、粘土に対して少しワガママでした。
もっと簡単に自由になるのかと思ってました。
師匠:優子さんが粘土の声にちゃんと耳を傾けてあげれば、粘土はいつでも、あなたの思うような形になってくれるわよ。
弟子:(*^o^*) はい、ありがとうございます。
師匠:電動轆轤は粘土とのキャッチボール。
作る物が大きくなればなるほど、そのラリーをどう繋げて行くかを考えなければならないわ。
弟子:ラリーを繋げる?
(゚∀゚;) そっかー!
師匠:大物作品は一気に思う形には成形出来ないわ。
少しずつ粘土とラリーを繋げながら成形して行くのよ。
粘土に謙虚に向き合うってことが何となく分かってきました。
φ(。。* ) メモシテオコウ